珍しい本格オーストリア料理に注目、ビストロ・ロートリッシュ
2013年6月にオープンした店。店名にある”ロートリッシュ”は、フランス語で”オーストリアの”という意味だが、なぜわざわざフランス語で”オーストリアのビストロ”という名前をつけたのだろう。謎の答えは単純。オーナーは3人で共同パートナー制で、うちシェフ2人はフランス人とオーストリア人ということなのだ。ちなみにもうひとりのオーナーでフロアを取り仕切るポーリーンはオランダ人。
というわけで同店ではシドニーでは珍しい本格オーストリア料理をはじめ、フランス、ドイツ、ハンガリーなどのヨーロッパ各国の家庭料理が楽しめる。内装もヨーロッパ調で、鹿の剥製がどーんと壁にかかっていたり、こちらも鹿の角の形にデザインされたシャンデリアなど、ヨーロッパ田舎風の洒落た雰囲気。中庭もカラフルで居心地のいい空間を演出している。
朝食/ランチメニューはフレンチ・トースト($10.90)、パンケーキ($8.50)、1人用の小型の鉄製フライパンで焼かれそのまま出される熱々メニューが5種($12.90〜$15.90)など、どれもヴォリュームたっぷり。フライパン料理にはパンは添えられず、代わりにいずれもジャガイモの千切りを焼いたロスティがフライパンの底に敷かれ、サクっとフワっとしたロスティは食べ応え充分。
さらにヴォリュームがたっぷりなのはディナー。イェーガー・シュニッツェル($22.50)は20センチ以上に広げた巨大なチキンにたっぷりのマッシュルーム・ソースが。さすがシュニッツェル発祥のオーストリア人シェフ作とあって、シドニーで食べるそのへんのシュニッツェルとは比べ物にならない美味しさ!みっちりとジューシーなチキンにピタっと張り付いた薄い衣はカラッとしている。シュニッツェルはほかも2種類あり、いずれもロスティと赤キャベツのサラダ付き。
ハンガリーの煮込み料理のグヤーシュ($20.50)はカイエン・ペッパーがスパイスになっているが特に辛いわけではなく、牛肉はほろほろ。こちらもロスティが付いてきて大満足。
ドイツ名物ポーク・ナックル($25.90)は自家製のザワークラウトもたっぷり添えられ、皮がパリッパリの骨付き豚の大きさに圧倒される。
日本人にはいずれもかなりヴォリュームなので、例えば3人で行ってアントレとメインを2品ずつシェアするといった食べ方をおすすめ。またはあれこれそろったアントレをタパス感覚でいくつかオーダーして、こちらも単品でオーダー可能なロスティ($5.90)やザワークラウト($5.90)などと楽しんでも。アントレにはカマンベールのフライ($11.90)、マッシュルームのパン粉焼き($11.90)、ビーフ・コロッケ($9.50)、ダック・テリーヌ($13.90/パン付き)などが。サラダもスイスのソーセージ・サラダ($12.90)、チキン・シュニッツェル・シーザー・サラダ($15.90)、フランスのニコイス・サラダ($15.90)など6種。
デザートもすべて自家製で、オーストリア名物のアップル・パイ、アップル・シュトュルーデル($7.50)は、リンゴがゴロゴロはいっており、ホクホクしてあっさりした美味しさ。ほかにもスティッキー・デイツ・プリン($7.50)、クリーム・ブリュレ($6.90)など自家製なのに料金も良心的だ。
金土は予約不可なのでその点だけ注意。
Bistro L’autriche
509 Crown St., Surry Hills
☎ (02) 8399-2827
月3PM~10PM、火~金10M~10PM、土日8AM~10PM
酒類ライセンスあり、ワインのみBYO可
*2014年1月の情報です。(Japaralia Feburary 2014 サリー・ヒルズ特集掲載記事)
「グッド・フード・ガイド」エントリーの実力店、バロック・ビストロ
ラ・ルネサンス・パティスリー・フランセーズ系列のレストラン。店の前には広いテラス席もあり、店内は天井が高い歴史的な建物の古びた感じをうまく使った内装で、丸い照明が釣り下がり、透明プラスティックのイスが並びキッチュかつスタイリッシュな不思議空間。オープンキッチンの向こう側にはペストリー・キッチンもあり、4~5人が作業をしている。シェフはビルソンズを筆頭にハット受賞店出身で、オープンしてすぐの2011年度「グッド・フード・ガイド」にすぐにニュー・エントリーを果たした実力の持ち主。
フランス風に”ギャルソン”と呼びたいウエイトレスはとても親切で、食べ方も教えてくれた。イタリア料理のオッソブーコで日本人にもお馴染みの素材を使った「骨髄(Bone Marrow)のロースト」は骨が輪切りにされたものが3つ並んでいて「中の骨髄を小さなスプーンですくい、サワードウに載せ、塩をパラパラかけるのがベストな食べ方」だそう。
「コンフット・ダック」は鴨の脚のコンフィと首肉のソーセージがケール(青汁でお馴染みの野菜)とパースニップのピューレとイチジクともにサーヴされる。
「メカジキ(Swordfish)のパンフライ」は海老のバターとコールラビのピューレ、そして小さなカブやラディッシュが可愛く並んでいる。メカジキはトロの部分が使われ、レアな絶妙な焼き具合。
ランチの後中休みなしでオープンしていて、ロック・オイスターなどの一品料理と一緒にお酒を楽しむこともできるし、マカロン3個とコーヒー($12)、マカロン2個とシャンパン($20)、ケーキ($15)などのスウィーツも楽しめる。また、5PMから7PMまではハッピー・アワーなので夕食前の軽いお酒とおつまみ利用にぜひ。
Baroque Bistro
88 George St. (corner of Hickson Rd.), The Rocks
☎(02)9241-4811
月~土 12PM~Late
酒類ライセンスあり
*2012年4月13日の情報です。(Japaralia May 2012 ロックス特集掲載記事)
Score 14.5/20 by SMHGFG2012 (The Sydney Morning Herald Good Food Guide 2011)
2ハット店の独創的なフランス料理、フォー・イン・ハンド
エリザベス・ストリートをハーグレーブ・ストリートから2ブロック奥に行ったサザーランド・ストリートとの角、落ち着いた雰囲気の住宅街にあるバブに隣接した店。店内はモダンなイカの墨絵が大きくかかっているが、建物やイスなどレトロ感が強い。
5年前に現在のシェフ、コリン・ファスニッジ氏に変わって以来、賑わいのある店に。ポークやラム、巨大な魚もホールで仕入れるているのが特徴というから度肝を抜かれてしまう。1頭丸ごとの豚を使ったホール・ロースト&スタッフド・サックリング・ピグ・ウィズ・アカンパニメント(1人$80/10名から25名まで)も大人気で、こちらは48時間前までに予約が必要。
カツオの刺身入りサラダのオントレは、フィッシュ・ソースがベイスのドレッシングで、薄切りのキュウリの酢漬けとシャーベット状にしてキューカンバ・スノウを振りかけていただく。冷たく爽やかな春先を感じさせる一品。メインは日本茄子の味噌漬けが透明なスープに軟らかなロースト・ラム、小さな丸ごとのカブ、フェネルなどとスープに入って出てくる。チリ・ジャム、イタリアン・パセリが添えられている。さらにデザートは、熱々のアップル・クランブルの脇に小さなアンティーク調のビンに入ったライス・プディングでできたヴァニラ・アイス。それぞれ単品でも美味しいのに、組み合わせると更に別な美味しさが。素材、組み合わせ、独創性に抜群のセンスが光っている3種。
ワインもチーズもフランス産、オーストラリア産と充実している。「シティよりも住宅街にあるのでファンシーな料理が安く食べれるよ」とシェフ。発表が迫った次回シドニー・モーニング・ヘラルド・グッド・フード・ガイド賞での評価も楽しみな店。(取材後1ヶ月、2011年度は2ハット受賞)
Four in Hand Dining Room
105 Sutherland St., Paddington
☎(02) 9362-1999
ランチ/火~日12PM~2:30PM、ディナー/火~土6:30PM~9:30PM、日6:30PM~8:30PM
酒類ライセンスあり
*2010年8月12日の情報です。
★★2 Hats, Favourite Pub, Score 16/20 by SMHGFG2011
丁寧なサーヴィスの本格的な1ハット店、ビストロ・モンカー
ウラーラの交差点、郵便局のクイーン・ストリートを挟んで向かいにあるザ・ウラーラ・ホテルの一部にある1ハット店。丸みのある木の天井と白黒の強い絵が特徴の店内は、かなり広々としていて、気持ちのいい空間。
1993年オープン以来、シェフ、デイミアン・ピニョレ氏が腕を振るっている。インタビューに応じてくれた同氏は常に最高の食材を突き詰めている姿勢も含め、料理に対する愛情がその説明や取り分けてくれる仕草からもうかがえる。
アントレのカリフラワー・サラダはヴェルジュースとヴィネグレットがカリフラワーにパセリとともに浸されてある。軟らかな豆、ビートルートの葉、ヴィクトリア州から仕入れているフレッシュなウォルナッツ、ぷくぷくしているレイズン、すべての調和が優しくとれた一品。メインのバラマンディのフィレは、皮がパリパリで中はとろけるような軟らかさ。スウィート・コーンのソースにフレッシュなバジル・オイルとトマトのコンフィが爽やかさをもたらす。感動に涙が出そうにさえなる一品。
彼のシグネチャー・ディッシュのサーロイン・カフェ・ドゥ・パリは7種類のフレッシュ・ハーブと数種類のスパイスの香り漂うソースが肉に載った堂々の一品。5年前に出版された彼の料理本にレシピも公開させている。エヴァズ・チョコレート・ケーキはマンジャリというカカオ64%のチョコから作られた、ほろ苦く、すべてが口の中で溶けていく一品。上に載ったチョコ・スティックのパリパリと口の中で崩れる感じもたまらない。
年に4~5回変わる通常のメニューのほかに日替わりの本日のメニュー(日付入り)も。ブッキングを取らないシステム。満員の場合は、隣接しているウラーラ・ホテルでゆったりと飲みながら待つのも楽しい。
Bistro Moncur
The Wollahra Hotel, 116 Queen St, Woollahra
☎(02) 9327-9713
ランチ/火~日12PM~3PM、ディナー/月~土6PM~10:30PM、日6PM~9PM
酒類ライセンスあり
*情報は2010年8月11日時点です。
★1 Hat, Score 15/20 by SMHGFG2011
ファイン・ダイニング級の美食をカジュアルに、バーリントン・バー&ダイニング
ランドウィックの2ハッツ受賞店バルザックのオーナーだったリーラさんが、女性シェフジャッキーさんと4年前にオープンしたビストロ調のバー&ダイニング。ジャッキーさんはベイザース・パヴィリオン(バルモーラル・ビーチ)、ガーフィッシュ(キリビリ店)のあと、サブ・ソロ(シティ)ではヘッド・シェフを務めていた経歴の持ち主。
店内は木の温もりのあるテイブルと椅子、アイヴォリーの壁が温かで上品な雰囲気。ファイン・ダイニングみたいに肩肘張らずに美味しいものを食べて欲しいというリーラさんの思いが反映され、リラックスできる雰囲気ながら味のレヴェルはかなり高い。ランチは3種類から選べるお得な25ドルの週替わりメニューがあり、さらに気軽に楽しめる。
ディナー・メニューは「オックステイル・ボーギニオン・パイ」($32)などの定番人気メニュー以外は季節ごとに変わる。一番人気の「チキン・レヴァー・パフェ」はものすごくスムーズな舌触りにエレガントな味付けで、食事以外にもバーでのおつまみにも最適だ。合わせるワインもリーラさんへ相談してみよう。
メインの「ヒラマサのグリル」は、フランス南部の干しダラ、ガーリック、クリームなどを混ぜてピューレーにしたプロヴァンス料理のブランダードの上にヒラマサが美しく盛りつけられている。その周りにあるレモン・オイルで合えたフェネルがまた美しく美味。
こちらも定番メニューの「NSW州リヴェリナ産の穀物飼育の牛のスコッチ・フィレ」はチップスが鉄板の上にホカホカのまま盛りつけられていて、ステーキの上にはハーブ・バター・ソースの「カフェ・ドゥ・パリ」に赤ワイン・ソースをかけていただくが、ちっともクドくなくて肉の美味しさが堪能できる味。「洋梨のタルト」など6種類あるデザートもそそられる。
Burlington Bar and Dining
6 Burlington St., Crows Nest
☎(02) 9439-7888
ランチ(月~金)12PM~、ディナー(月~土)6PM~
酒類ライセンスあり
Score 13.5/20 by SMHGFG2011
チーズ、オイル、チョコでフォンデュ三昧、シー・ジェイズ・フレンチ・レストラン
ニュートラル・ベイ、ミリタリー・ロード沿いのシー・ジェイズでは特にこの季節、アントレにチーズで、メインにオイルで、そしてデザートにチョコで3通り楽しめるフォンデュがおすすめ。オイルでは同店なら海老も選べる、という期待度大のメニューだ。
スイスだけでなくイタリアを含む周辺フランス語圏の代表的な料理チーズ・フォンデュは、エメンタール・チーズとグリュイエル・チーズに白ワイン、キルシュ・リキュールを専用のフォンデュ鍋で暖め、一口大の角切りにしたバゲットを串に刺したものを絡ませて熱々のうちに食す。同店では、そのチーズの「熟成具合が命」と言う。サプライヤーから一度に大量に仕入れるのではなく、熟成具合がいつも同じような仕入れに気遣っているという。さらにナツメグ、粒コショウの香りが美味しさを引き立たせる。フォンデュは日本の鍋同様、ひとつの鍋をみんなで囲み、語らいながらゆっくり食事をするのに適したメニューではないだろうか。
チーズ・フォンデュを味わった後は、オイル・フォンデュの登場。ビーフ、チキン、海老を串刺しにし、オイルの中へ入れる。ビーフはレアなら30秒、ミディウムなら1分程。チキンは約2分。海老は、油の立てる音をききながら、わくわくしながら30秒。熱々のうちに、スパイシー・トマト、マスタード、ガーリック、スウィート・チリの4種類のホームメイド・ソースにつけていただく。350度という高温のオイルにくぐらせるのに、食感は決してオイリーではないのが不思議だ。
チーズとオイルのフォンデュ・セットを堪能した後は、食感が爽やかな果物の種類も豊富な、チョコレート・フォンデュで決まり。巷で流行っているチョレート・フォンデュのように胸焼けしそうな甘ったるさがなく、ほんのりリキュールが効いたダーク・チョコに季節の果物をくぐらせ、ゆっくりとつつく。身体の芯まで温まるひとときを、大切な人と過ごす、素敵なフォンデュ・ナイトだ。
同店はほかにもフランス料理の各ディッシュがそろっていて、40人までのバースデイをはじめ各種パーティも請け負っている。アクセスはウィンヤード駅からバス246、247、248、249などでミリタリー・ロードまで。
CJ’s French Restaurant
Shop 4, 99-111 Military Rd., Neutral Bay
☎(02) 9908-1161
火~土6PM~11PM
酒類ライセンスあり(ワインのみBYO可)
クラシックなフランス料理とワインを堪能 タステヴィン・ビストロ&バー
ヴィクトリア・ストリートをキングス・クロス駅方面から歩いてすぐ、左手タイガー・ベイカーズというカフェの右側の階段を上に登ると、手前にエレガントな雰囲気のレストラン、奥にワイン・バーがあい、オーナー・シェフでフランスとイタリアのソムリエでもあるアレックス氏が極上の笑顔で迎えてくれる。
ひと昔前と違って最近ではシドニーでも珍しくなくなってきた、本格的かつクラシックなフランスの味を提供しているレストラン。ワイン・バーでは鴨のてリーヌやフランス産チーズの盛り合わせなどを食べながらワインを楽しめる。
取材には丁度パンが焼き上がり、極上の香りを漂わせていた。「夕方6時には焼きたてのパンが楽しめますよ」と日本人シェフのヨシさん。「ファイン・ダイニングのような雰囲気でありながら、料金は高くないビストロのメニューですので、気軽に来て頂けると思います」とも。
上品でクラシックではあるが、今風に表現しているメニューの数々、まずメイン、鴨は2種類の部位を使っている。低温で調理した軟らかい鴨の皮をもう一度パリパリに焼き上げる胸肉は、真ん中がレアな感じを楽しめる。そして、足はよく焼いてあるがこちらも軟らかく、同じ鴨で2度楽しめるメニューだ。同店のシグネチャー・ディッシュ、フランスのニョッキはシュー・クリームの生地で出来ている。だからなのか、ふわふわの柔らかさがあっさりだけどコクのあるクリームと一体化している。ディジョン・マスタードを使っているそう。女性に大人気でリピーターも数多い。
テイブル上でフランベしてくれるクレイプも大人気だ。大人のオレンジの味と、フランスのサワー・クリームで作られたアイスクリームがたまらない。
ランチも狙い目。本格的にオントレ、メイン・コースのロースト・ポーク、ビーフ、フィッシュ、またはラムが良心的な料金で食べられる。
ワインはアレックスに相談して。日本語が必要な場合はヨシさんが答えてくれるので安心。客はレストラン業界が多く、フランス人も多いとのこと。客層から味への信頼が伺われる。
Tastevin Bistro & Wine Bar
Level 1, 292-294 Victoria St., Darlinghurst
☎(02)9356-3429
ランチ 金~日12PM~3PM、ディナー 水~月6PM~Late
酒類ライセンスあり
Score 13.5/20 by SMHGFG2011
ビストロ調の雰囲気で味わう最高の料理、フリンダーズ・イン
01年にソルトのスーシェフを務めていたモーガン・マクグローン氏が修業先のフランスとブラジルから戻って作ったレストランで、ちょうど1年前の09年9月にオープン。場所はフリンダース・ストリートがムーア・パーク・ロードと交差する手前で、以前はワイルド・ライスというタイ・レストランだったが、全面的に内装を変え、スタイリッシュでいて温かなビストロ調。証明をかなり落としていて、鏡に口紅でメニューが書かれているのもお洒落。
まずはアントレの、ゴート・チーズのバヴァロア。チーズの舌触りをまるっきり変えて、冷たいプルプルのバヴァロアにしているのに、鼻からゴートチーズの香りが抜けていく感覚。それに新鮮なエンダイヴとエシャロット・サラダ、そしてキャラメライズド・オニオンの甘酸っぱさが心地よく、抜群のバランス感覚。
鏡に描いてある特別メニューのニョッキは、口の中でほどけるビーフの濃厚な味と、とろりとしたほんのり甘い巨大なニョッキがまったりと混ざり合いホっとする一品。ほかに人気のメインは、クリスプ・ポーク・ベリーのカリフラワー・ピューレとキャラメライズド・アップル添え($34)。
デザートのパルフェ(アイスクリームに近い)は、口に入れた途端、ラヴェンダーの香りに圧倒、その後ハニーの味わいがくる。煮込んだ洋梨が優しく甘い。洋梨とラヴェンダーの組み合わせに激しくうなづいてしまう一品。オープンして1年経たないのに大人気のレストランの秘密は、マクグローン氏の味のバランス感覚なのだろう。デザートは他にヴァニラ・クリーム・ブリュレ($14)も人気が高い。
「タフな感じなのにエンジェルのように調理をする」とグッド・フード・ガイドに描写されていたシェフは確かに優しく包み込むようなたたずまいで調理をしていた姿が印象的。絶対に予約は必要なので、その点、注意。
Flinders Inn
160a, Flinders St., Paddington
☎(02) 9331-0208
ランチ/金12PM~3PM、ディナー/月~土6PM~10PM
酒類ライセンスあり
Score 13.5/20 by SMHGFG2011
ひっそりたたずむのに存在感抜群の2ハット店、クローズ
シティからオックスフォード・ストリートを進むとセンテニアル・パークが見えるあたり、クイーン・ストリートに曲がる手前のブロックにひっそりとたたずむ。ただし2ハットの存在感抜群の店。現在のシェフ、シュイ・リー・ラク氏になって5年。昨年6月に改装した店内は、白が基調の清涼感があるデザイン。45席の地上階のほか、上の階にはプライヴェイト・ダイニング・ルームもある。
メニュは、3コース・メニュー($135)と8コースのテイスティング・メニュー($165)がある。テイスティングにはすべてのメニューにトリュフを加える($50)というオプションがあり、ポピュラーなのだそう。それぞれの料理とマッチング・ワインを楽しむワイン・フライト($85)はソムリエの西本氏が選んでいるからぜひ試してください、とシュイ氏談。取材日のメニューのワイン・フライトは、ほぼフランス産のワイン。7種類の別々のワインが楽しめる。
テイスティング・メニューからのイエロー・フィン・ツナとソルト・コットはフェネルとグリーン・トマトのソテー、ひよこ豆のベイクの添え物とイカ墨のソースという斬新な組み合わせ。
同じくテイスティング・メニューのデザートはシャンパンと黒トリュフのアイスクリーム。シャンパンの香りのクリーミーなアイスクリームは絶品、それにトリュフが混ざるとコクが違う。洋梨のダイスとメレンゲの上に載ったマシュマロは上品な味。
3コース・メニューのロブスター・ソーセージとブラッド・ソーセージもかなり斬新なアイデア。ロブスターの味を閉じ込めたソーセージにうっとり。カリフラワーとホースラディッシュのソースはまさに天国の味だ。
メニューは日替わり。少しずつ変わったり入れ替わったりと、楽しみがある。当然のように予約は必須。
Claude’s
10 Oxford St., Woollahra
☎(02) 9331-2325
ディナー/火~土7:30PM~9:30PM
酒類ライセンスあり
★★2 Hats, Score 17/20 by SMHGFG2011
ライカート唯一のフレンチ、西郊唯一の2ハット店、ビストロ・オートラン
ノートン・ストリートからタウンホールをマリオン・ストリートに曲がりしばらく行くと小さなレストラン街がある。2階のテラスが歩道の上にあるクラシカルな外観のビストロ・オートラン。ライカートで唯一のフレンチ、そしてウエスタン・サバーブでは唯一の2ハット・レストランだ(シドニー・モーニング・ヘラルド・グッド・フード・ガイド賞=SMHGFG)。ラグジュアリー、デカダンがコンセプトなだけあり内装もクラシカルで、アンティークのランプや鏡がポイントになっていて、落ち着けるゴージャス空間。
シェフはアンパーサント・レストラン時代にこちらもハット・シェフである犬飼春信氏(現ブランシャル・オーナー・シェフ)とも働いた事のあるポール・マクグラー氏。06年9月に同レストランをオープンして以来、SMHGFGにおいて08年は1ハット、09年と10年は2ハットを受賞している。
素材を厳選していて、サプライヤーだけではなく制作地(人)まで解っているものを使っている。素材が命という事がディッシュからもひしひしと感じられる。「シグニチャー・ディッシュは?」との質問に、「素材によって決めるから特にない」という答え。一つひとつの素材を大切に生かしているということなのだろう。
人気は3時間強かけてゆっくりといただくお得なデガステーション・メニュー10コース($110)。金土はブッキングの際にコースの場合は予約が必要。ワインも豊富なセレクションがあるが、火、水、木はBYOも可能。
ぜひ特別な日のディナーに行きたいレストラン。特に女の子は繊細でファンシーな盛りつけに目が釘付けになるだろう。そして、美味しさにうっとりするはず。
Bistro Ortolan
132 Marion St., Leichhardt
☎(02) 9568-4610
ディナー/火~土6PM~10PM
酒類ライセンスあり(火~木のみBYO)
★★2 Hats, Score 16/20 by SMHGFG2011